ステアリングコラムのネジ切り

いつかは高級なクロモリフレームを所有してみたいという希望を持っていたものの当分先だろうなと思っていたところ某ネットショップで半額以下で売り出された品物、購入ボタンの抗いがたい誘惑に負けた結果、果たして届いたフレームはアヘッドだった。

アヘッド合理的だしカーボンフレームならまぁ普通にアヘッドだろう。でも、クロモリである。やっぱりクィルステムにしたい。

クィルにするにはステアリングコラムにネジを切る必要がある。このネジはヘッドパーツの上ワンのアライメントに関係するためそれなりの精度が必要とされる。この精度を担保するために例えばパークツールのものではカッティングガイドというものが用意されている。また、自転車屋さんではダイスハンドルに同様のガイドを取り付けるなど工夫がされている。施工にはそれなりのコストと技術力がいる作業ではある。

 じゃあ自分で出来ないかというと出来ないこともない。ダイス自体は1インチスレッドコラム加工用が\3000足らずで手に入れられる。(ハンドルもいるが)要はガイドをどうするかの問題となる。何か流用できるものはないかと探してみると1インチというパイプの径が助けとなる。この値は工業的には基準の数値なので。この径のパーツはありふれているのだ。僕はこういうものを用意した。これを所定の長さに調整したステアリングコラムに取り付け端面にダイスの端面を押し付けながら回すことで十分な精度でネジを切ることが出来る。勧めるわけではないけれど自分でやってみたい人には参考になるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

8速カンパを再使用するためのメモ

(2019/10/27追記在り)

  • 新フレームに現車ビアンキのコンポ(10速カンパ)を移したい。
  • でもビアンキも通勤用に使えるようにしたい。
  • もともとつけてた8速コンポを使えないか?
  • しかし8速用のホイールは処分済み。
  • 最近のカンパフリーではスプラインが合わないので8速カセットが使えない。普通に使えた。
  • 9速以降と8速ではカセット全体の幅は一緒
  • 9速カセットから大きい側を一枚抜いてスペーサーを交換すると使えるかも。
  • 9速ベローチェカセットの13-28 から一枚抜くと13-25なので行けそう。
  • 8速カセットのスペーサーの内径側はΦ35.4の円形→最近のカンパフリーに嵌る→流用可?
  • スプロケットの厚みが8速と9速以降同じならいけるかも
  • 8速カセットのスペーサーは全てCS-002で同一
  • 9速カセットのスペーサーは全てCS-102で同一
  • cs-002 厚み3.2㎜
  • cs-102 厚み2.8㎜
  • https://www.sheldonbrown.com/cribsheet-spacing.html
  • 1998 Campagnolo Technical Specifications.によると9速カセットのスプロケットの厚み1.75、 8速カセットでは1.85、スプロケの厚みは0.1違うので8枚並べると0.8のずれ。微妙。
  • ところでMicheのカンパ互換の9速スプロケの厚みが1.85 https://www.velocipedesalon.com/forum/f40/miche-campy-cog-thicknesses-46294.html#post823431
  • こいつを使えば現代のホイールでカンパ8速コンポ使えるのかも。
  • 続くかも。。。

2019/10/27追記

Micheのスプロケも随分前に入手しそろそろ組んでみるかなどと8速レコードのカセットとMicheのカセットと見比べつつ、ふとレコードスプロケをzondaの新型ハブにはめてみたところなんと普通に嵌る。なんてこった…。

どうやら新型のハブは旧型との後方互換性を維持する形状であった。つまり、

ということらしい。ただしロックナットだけはネジ径が合わないので新型用が必要となる。ということでせっかく買ったMicheの9速カセットはロックナットだけ有効に活用されることとなったのであった。_| ̄|○

結論としては8速のカンパグループセットは9速以降の完組ホイールでも普通に使えるということ。(11,12速は知らない)

Mickeスプロケは、表面処理はピカピカのメッキでぱっと見安っぽい。これを上記の手法で組もうとすると、最小スプロケットにはスペーサーがない代わりにスプロケ自体に勘合部に厚みがつけてあり、この厚みが9速用のスペーサの厚みとなるためこのままでは8速にしても寸法が合わない。従って最小径のスプロケだけはカンパ用を用いる必要がある。これに意味があるかどうかは知らない。

以上。

伊佐沼ライドと川越電気鉄道

昨年末に事故った自転車を何とか直し、様子見に50kmほどのライドをすることにした。目的地として選んだのは川越の伊佐沼。伊佐沼と言えば打木村治の小説「大地の園」における川中生のマラソンや軍事教練の目的地として頻繁に登場するスポットだ。ここが自宅から約20数km、往復すれば約50kmとなる。丁度良い感じだ。

「大地の園」の時代は今から100年程前で、その頃は伊佐沼のすぐ脇を鉄道(いわゆるチンチン電車)が走っていた。このチンチン電車(川越電気鉄道)は川越の東電支社から大宮駅ロータリーを繋いでおり、「大地の園」の主人公、河北保が寺泊の姉、喜美子の家に旅に出たときに、信越線の駅のある大宮へと向かうために乗り込んだ電車である。

現在、道の形などに当時の面影が残っているが、遺構といえるものはほぼ残されていない。唯一残されているのが小さな用水にかかった橋台*1で、これが伊佐沼からほど近い場所にある。走るついでにこれを実際に見に行くことにした。

荒サイに秋ヶ瀬橋からinして右岸側で上流へ向かう。修理した自転車は特に問題ないようだ。病み上がりでもあるのでそれ程飛ばさず25km/h程度で走り、上江橋から一般道へ入り少し行ったところにそれはあった。

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このごみ集積所の下の古びたレンガ積みがそれである。

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用水の脇にひっそりと、100年以上の時を過ごすうちに角も落ちてそれでもしっかりとその存在を保っている。そうと知らなければ誰もが気付かず見過ごされてしまうであろう歴史の遺構である。

とはいえ単なるレンガ積みの物であるのでそんなに長いこと見るべきものもないので先へ進むこととする。今や普通の車道となった古き軌道の後を走り伊佐沼へ。

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非常に天気も良く景色も清々しい。

伊佐沼には九十九川という小川が流れ込んでおり、この脇の小道を進むと国道16号に達する。この16号にかかる橋が二枚橋であるのだが、大正時代の橋が現存している。

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「大地の園」における描写では、この橋のたもとに天婦羅屋があり、軍事教練の行軍の折にここで小牧中佐が生徒たちに天婦羅を奢ったのであるが、今その面影を示すものはない。

さらに進み、川越喜多院の北側、現在の東京電力川越支社のある付近に鉄道の始発駅、川越久保町駅があった。現在東京電力のある場所には当時火力発電所があり、この電力が鉄道に用いられていた。

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ここから100年程前に保少年は寺泊まで旅立っていったのだ。

寺泊と言えば、現在の寺泊駅は保少年がたどり着いた寺泊駅ではない。当時の寺泊駅は今はなき越後交通長岡線*2の終着駅で、現在の寺泊港付近、海沿いに在った。現在の寺泊駅はその当時は大河津駅と呼ばれ、まさに喜美子が前畑豊平を伴って保を迎えに来たその駅である。

*1:この辺の詳細はこれらのページに詳しい

*2:当時の駅の様子などはこのページなどが詳しい

スチールフレーム

適当に続く